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   令和元年 第1回 文化学習講座   
     
   版画という不思議な世界  
     
    7月21日(日)
文化・学習部会

講演:河内成幸 氏
       
  講演にあたって:
 富士は日本人の心であり、誇りである。折々に生じる富士の変化、一瞬で感じ
 られる「気」を表現したく制作している。富士山は日本人の美の出発であり、
 浮世絵にみることができる。そこには日本独特の色の重ね方があり、世界に
 誇る日本独特の肌合い、マチエールが存在している。印象派の画家達は
 それぞれマチエールを持っているが、浮世絵のマチエールは彼らの憧れで
 あった。
 
       
     
       
     
       
  版画について:
 凸版印刷は木版で浮世絵が代表である。凸の飛び出している部分に絵の具を付ける。 
 木の版を絵の色に合わせて数枚つくり重ねて製作する。
 凹版版画は亜鉛版や銅板を使う。凹面の凹みに絵の具を挿入し平面を磨き圧迫して
 色を引き出す。河内氏は平面にニス等でカバーし凸版の版画とコラボする独特の方法
 を考案した。
 
     
     
     
     
  実演:
 以上の内容を講演しつつこの日のために下ごしらえ(数枚の版)した版画の最終の
 段階を実演した。
 色の重ね方や、独特のマチエールについての話から芸術とは?の話題に発展。
 「芸術は品格」であると結論された。 
 
     
   
       
   
       
     
       
  会場では最新作富士を主題とした作品が展示され、鑑賞しつつ講演に
引き込まれていった。
版画という不思議な世界は解明されるというものではなく、その深さに益々
魅了された。河内氏の版画に向かう真摯な姿、明るく前向きでエネルギッ
シュな生き方に感銘を覚えた講演会であった。
 
       
  最後にこの日のために作成された作品が幸運な方1名に抽選で贈られた。   
       
       
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